▲現在の「月心寺」門前  
                             
                            ▲走井 
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                    走井茶屋は、明治初期まで賑わいました。その後、茶屋は姿を消したものの、茶屋旧跡は大正四年(1915)、日本画家の橋本関雪(1883〜1945)が別荘として購入。関雪没後の現在は臨済宗系の単立寺院「月心寺」となって、京津線追分駅と大谷駅の中間あたり、往来激しい国道沿いにひなびた門灯を掲げています。 
                       
                     山門をくぐると、こけむした石組の庭が別世界のように広がっています。滝のある美しい庭は室町時代、相阿弥作とも伝わるもの。滝の水は、いまもこんこんと湧く走井に発します。「水神諸霊」を祭る石碑が立つ本井戸の一角は、木立と岩に囲まれ「神域」の雰囲気を感じさせます。岩が濡れ、冷気漂う様は、通過車両の騒音をしばし忘れさせます。 
                     
 この月心寺では、村瀬庵主手作りの胡麻豆腐をはじめとする精進料理がつとに名高く、NHK朝の連続ドラマ「ほんまもん」のモデルとなったことでも知られます。                      |